その他ダイヤ
ダイヤモンド全般
このコーナーはダイヤモンド全般に関する情報です。
- クラリティのお話
今回はクラリティの細かい内容ではなく市場に流通している
ダイヤモンドの品質についてです。
ダイヤモンドのクラリティの比率は良くピラミッドの様な
形をしていると云われています。
つまりTOPクオリティの無傷を頂点にしてVVS、VS、
SI、Iクラスと裾野を広げ比率が高くなります。宝飾品に
使われるもののほとんどがVSクラスまでではないでしょか。
SIクラスは比較的安価な宝飾品のも使われます。
Iクラスはほとんどが工業ダイヤモンドとして市場に出されて
いますので、消費者はあまり存在には気づかないのですが、
ダイヤモンドの大半がこの分類です。カラーダイヤに
関しては工業ダイヤの区分が一番多い区分になります。
主力はSIクラスです。Iクラスも良くみかけます。この様な
クラリティに低いダイヤが出回る理由については、カラー
ダイヤモンドは価格単価が高い為、低品質のダイヤを研磨
しても採算が合うことと、原石の段階でクラリティは低いが
色が付いているので採算を見込める為に研磨を行っている
事情があります。
- ダイヤモンドの硬度
ダイヤモンドの硬度を表す単位で、モース硬度と云う単位が
あります。モース硬度は1~10までに区分され、1はタルク
と云う鉱物、10がダイヤモンドです。この区分の中で
有名な鉱物は、7のクオーツ、8のトパーズ、9のコランダム
(ルビー・サファイヤ)などです。ちょっと注意を要する
のは、区分はあくまでも硬さの序列を表しているだけで、
絶対的な硬さの比較ではありません。トパーズとコランダムは
約1.5倍の硬さに違いがあります。コランダムとダイヤ
モンドでは、約5倍の違いがあります。
ちょっと逸れますがダイヤモンドの研磨ついてのお話を
追加します。
実はダイヤモンドを研磨する際に研磨しやすい面と難しい面が
あります。これはダイヤモンドが成長する際の結晶構造に
よるものです。結晶の結びつき強い面は削り難く、そうで
ない面は削り易くなります。この現象を利用して、ダイヤ
モンドを分割(クリーピング)する作業を行っています。
- カラーダイヤモンドとカットグレード
カラーレスダイヤモンドではカットグレードは非常に重要視され
価格も左右されますが、カラーダイヤモンドでは、あまり
カットグレードは重視されていません。理由としては、色相が
重視されるため、カットのグレードは二の次の扱いになって
いるためです。
当然ながらカットグレードが良いことに越したことはありま
せんが、傾向としてはカットグレードが良いとダイヤモンドへ
入射した光が見ている人に反射して来ますので、色が薄く
感じてしまう為です。
- 今回はダイヤモンドのお話より外れますが、宝飾品とは切っても
切れない金(GOLD)のお話です。
左の画像は、金鉱脈の中で金が集まった珍しい結晶
中の画像は、金鉱石で黒い筋に銀と金が含有されています。
右の画像は、一番良く見られる砂金です。
日本もかつては有数の金山がありましたが、現在ではほとんど
が休山状態になっていてほとんどは輸入に頼っています。
しかし、最近は都市鉱山(携帯や半導体のリサイクル品)も
脚光をあびています。
しかし、GOLDの輝きは侮れません。
- ダイヤモンドの生まれ故郷
ダイヤモンドの生まれ故郷(地中の岩石)はキンバーライトや
ランプロアロイではなくペリドタイトとエンクロジャイドと
呼ばれる岩石です。地中深くで生成されたダイヤモンドは火山
活動の結果、キンバーライトやランプロアロイの岩石に運ばれ
地表に出てきます。
- 示準鉱物とは
少し聞きなれない言葉の”示準鉱物”とは、ダイヤモンド鉱床を
調査する上で、地中の鉱物の含有量を確認するのですが、
この示準鉱物の比率により鉱床が近くにあるかが解ると云われ
ています。
ちなみにキンバーライトやランプロアロイに含まれる示準鉱物
は、レッド及びオレンジのガーネット、ブラックスピネル
などが一般的です。特にガーネットはダイヤモンド内に内包
結晶として存在する場合もありますので非常に興味があり
ますね。
- ダイヤモンド鉱床
ご存じの方も多いと思いますがダイヤモンド鉱床は、主に山を
採掘する1次鉱床と川や海などに堆積する2次鉱床に分かれ
ます。
1次鉱床に比べ2次鉱床で採掘されるものの方が密度が高く、
品質が高いです。
1次鉱床ではパイプと呼ばれるダイヤモンドを含んだ岩石
(キンバーライトとランプロアロイ)を採掘しますが
1ctの原石を見つけるのに数トンの
岩石が必要になります。一方、2次鉱床では、膨大な作業人数
を使い川などで採掘しています。
海では専用船を使って大規模な採掘を行っています。
- カラーグレードのマスターストーン
カラーレスダイヤモンドのマスターストーンの条件について
・ダイヤのサイズは0.25ct以上で互いの大きさは
0.1ctを超えない
・カラーはカラーレスからライトイエローに限ります
・蛍光性はE~Jカラーまでは無し、K~Zカラーは
フェイント~ミディアム
・クラリティじゃSI2以上でパビリオン側より見て
目で見えるインクルージョンが無いこと
・プロポーションも一定の範囲で揃っていること
・ガードルは薄い~厚いの範囲に入っていること
※マスターストーンのグレードはトップグレードとする
以上の厳しい条件の為、日本国内でもフルスケール(E~Z
カラー)のマスターストーンは数少ないと言われています。
個人でもマスターストーンは購入できるとのことですが、
注文してから1年位時間が掛ると聞いています。
- ダイヤモンドのプロポーション
ダイヤモンドのプロポーションはカットグレードとポリッシュ
/シンメトリーの評価で行われます。
最近、3Exと表現されているダイヤモンドを見かけること
が多くなりましたが、カッット/ポリッシュ/シンメトリーが
優れているものが3Exです。
カットグレード※1:ガードル厚さは最大と最小の差で評価していて、極端に項目 グレード区分 EXグレードの数字 備考 Table Excellent~Poor 52~62% 外形とテーブルの比率 Star Facet Excellent~Poor 45~65% スターファセット長さ比率 Crown Angle Excellent~Poor 31.5~36.5° クラウンの角度 Crown Height Excellent~Poor 12.5~17.0% 全体に対してのクラウン高さのパセンテージ Girdle Thickness Excellent~Poor ※1 ガードルの最小と最大を評価 Pavilion Depth Excellent~Poor 40.6~41.8° パビリオンの深さを%で換算して評価 Girdle Thickness Excellent~Poor 2.5~4.5% 全体の高さよりクラウン・パビリオンを引いて計算 Lower Girdle Excellent~Poor 70~85% 外形とロワーガードルのパーセンテージ Culet Size Excellent~Poor ※2 キューレットの大きさ
薄い~極端に厚いの8区分に分けていて、一番良いのは最大
/最小がミディアムのもの
※2:キューレットは8つの区分に分かれていて、なし~極端に
大きいとなっていて、Ex評価は、なし-非常に小さい-小さいの
等級が該当。
シンメトリー
ダイヤモンドの左右対称性やカットの問題点などを総合的に
確認して評価をEx~Pの区分で行います。
ポリッシュ
ポリッシュは正確研磨されているか、研磨作業中の問題点等が
無いかで評価をEx~Pの区まで行う。
- ダイヤモンドのタイプ
ダイヤモンドは不純物元素と色や特性で4種類に分けることが
できます。
それではタイプ別に記述します。
種類 | 不純物元素 | 特徴及び特性 | 色 |
---|---|---|---|
Ⅰa(多い) | 窒素 | 窒素原子が集まって存在 | ほぼ無色からイエロー |
Ⅰb (希) | 窒素 | 窒素原子は散在・独立して存在 | Ⅰaよりイエローが強い |
Ⅱa(極めて希) | 窒素はわずか、あるいは無い | 熱伝導性の特性を持つ | 無色・ブラウン・グレー |
Ⅱb(極めて希) | 窒素はわずかでケイ素を含む | 熱伝導性の特徴を持つ | ブルー |
この表以外にも色々な要素が加わり別のカラーになる場合もあり
ますので、大きく分類されたものとお考え下さい。一部の鑑定
機関では、ダイヤモンドがどの区分のタイプか判別している
とこともあります。
- クラリティ特徴
クラリティ特徴を大きく分けると研磨ダイヤモンド表面にある
ブレミッシュとダイヤモンド内部にある内部インクルージョン
これらの特徴を見るに当たり10倍の拡大鏡と暗視野照明
(背景が黒色でダイヤモンド側面より光を当てる)ことにより
クラリティ特徴を確認することができます。当然、等級の高い
クラリティグレードは肉眼では見ることはできません。
肉眼で見えるのはSIグレードからでしょう。ある程度目が
慣れてくると拡大しながらダイヤを見ると肉眼では見られない
違う世界が見えてきます。少し注意しなければならないのが
ゴミの付着です。ダイヤモンドは油や静電気などによる異物が
付いてしまいクラリティ特徴に見えてしまいます。
さあ皆さんも一味違うダイヤモンドの世界を見てはあかが
ですか?
- カラーレスダイヤモンドを極める
カラーダイヤモンドの色を語る上で避けて通れないものがカラー
レスダイヤモンドのカラー区分です。これはダイヤモンドの
基本である上に今後皆さんの目をグレードアップすることに
もなると思います。
まずダイヤモンドのカラーの見方ですが、基準ダイヤと比較
しながらグレードを決定していきます。今回画像でup
しているダイヤは”E”、”G”、”J”カラーのダイヤです。
皆さんもご存じのとおりカラーは”D”から始まるので
”E”カラーと比べ透明なものが”D”カラーになります。
”E”カラーより黄色見があればFカラー以降のグレードです。
画像比較で行うと”E”カラーは正面・裏面・斜め裏側共に透明
感があり黄色味がありません。
”G”カラーは裏面と斜め裏側に若干見受けられます。
”J”カラーは正面でも若干の黄色味と裏側・斜め裏側では黄色味
が出てきています。
今回は画像を元にカラー比較をしていますが、グレード決定
はもっと複雑な工程を経ていますので、ここでは簡易的な
見方を紹介しています。
ただ、ダイヤモンドの美しさはカラーグレードのみではない
ので、今後も継続して情報をupしていきます。
- グリーンダイヤのふしぎ
上の画像はグリーンダイヤ(図書館内にあるFancy Green・GIA
グレード)のガードル部分を拡大したものです。
少しグリーンダイヤについてご説明します。グリーンの発色
原因については、放射線の影響により生じているのですが、
人為的なものか、自然な環境化で生じたのか中々判断が
つかない為、相当数のグリーンダイヤがあってもグレード付
のものは皆無でした。
ただ、画像の様にダイヤのどこかにナチュラル(原石の一部)
が研磨後も残っている場合は、天然グリーンダイヤの評価が
出る可能性が高いです。
通常、放射線の影響はダイヤモンド原石の表面のみで、大きく
研磨してしまうとカラーレスダイヤになると価値が天と地
の差が有るため、非常に神経を尖らせた研磨作業となって
います。
- アーガイル刻印
ピンクダイヤモンドの産地で有名なアーガイル鉱山で産出・研磨されたピンクダイヤモンドのガードル部に刻印されている刻印です。以前はほとんど見ることはありませんでしたが、近年刻印入りのピンクダイヤモンドを良く見かけることが出来ます。
- ダイヤモンドはどこから来たのか?
ダイヤモンドは地中の深い場所で生まれ火山活動により地表に
現れることで人間に発見されます。地中では何億年の時を経て
ダイヤモンドが生まれます。